任意整理はどのような場合に利用できるの?
減額された借金を3年程度で返せる場合です。
利息制限法という法律に従って高い利息を計算しなおし、債権者との話し合いで借金を減額します。これを大体3年~5年間で払っていくことができる場合に利用できます。このため、自分の安定した収入や家族の援助などが必要です。
自分で任意整理ができるの?
難しいでしょう。
貸金業者は弁護士・司法書士が間に入らないと、相手にしてくれません。たとえ相手にしてくれたとしても、貸金業者が自分たちに有利な案を出してくることが多いのです。
また、かえって取り立てが厳しくなったり、早期の返済を迫られたりする場合もあります。 弁護士・司法書士に頼むと、業者に受任通知を出してくれ、それ以降は取立が止まります。
任意整理をしても、ブラックリストにのるの?
のります。
任意整理すると、いわゆるブラックリストにのります。ブラックリストといわれるのは、信用情報機関の登録情報のことです。登録期間は機関によって違いますが、大体5~7年です。この期間は、お金を借りたりクレジットカードを作ったりすることは難しくなります。 これは特定調停、個人再生、自己破産の場合も同様です。
任意整理をすると、どのくらい借金が減るの?
借りている期間が長いほど減ります。
借入期間や借り方などによりますが、20~30%減る傾向にあります。場合によっては、もう既に払い終わっていて借金がなくなっていることや、逆に払い過ぎていることもあります。払い過ぎた分は訴訟などで請求できます。
連帯保証人に迷惑がかかるの?
かかるでしょう。
任意整理をすると、貸主は連帯保証人に請求できます。連帯保証人には事前に相談し、一緒に対策を相談しましょう。保証人がついている借金は外して任意整理をする方法もあります。
家族に内緒で任意整理ができるの?
できます。
交渉はすべて、弁護士・司法書士が行います。裁判所へ行くこともありません。官報に載ることも資格が制限されることもありません。家族や周りに知られる可能性は低いでしょう。
全部の貸主ではなく、一部の貸主とのみ任意整理はできるの?
できます。
例えば、自動車のローンを除いて高金利の消費者金融の借金だけ整理したい、などの場合も利用できます。
住宅ローンも任意整理ができるの?
難しいです。
住宅ローンは元々の金利がかなり低い場合が多いので、任意整理によるメリットはあまりありません。住宅ローンは除いて任意整理をするか、他の方法(個人再生)を選ぶのがいいでしょう。
なお、ローンで買った自動車も、ローンを全額払い終わるまでは信販会社に所有権があるので手放さなければなりません。
借金の理由がギャンブル、遊興費だけど任意整理はできるの?
できます。
自己破産の場合の免責不許可事由(浪費やギャンブルなどによる借金)がある場合も、任意整理では問題ありません。
「あるとき払い」(収入が多い時に多く払う)こともできるの?
できません。
均等に支払わなければなりません。それを前提条件として弁護士が債権者と話しをします。
なお、残りが少額(10~15万円ほど)になったときに繰り上げて返すことはできます。 3年以上と長期間に渡って返済していくわけですから、弁護士・司法書士とよく相談して、収入に見合った無理のない返済計画を立てましょう。
任意整理を弁護士・司法書士に頼んだら、自分は何をすればいいの?
以下に注意しましょう。
借金の内容はすべて正直に話しましょう。
もし一部の借金を隠していると、あとでトラブルがおきる可能性があります。
家計簿をつけましょう。
自分の生活費を見直し、むりなく返済できる金額を明らかにする必要があります。
合意した返済方法に従ってきちんと払いましょう。
これが守られないと、せっかく和解しても訴えられる可能性があります。
相手方が任意整理に応じてくれない場合もあるの?
心配しなくても大丈夫でしょう。
通常はきちんと話し合いに応じてくれます。
もしも相手方が任意整理に応じない場合は、調停など次善の策をとることになります。